【呼吸機能検査(スパイロメトリー)とは?】肺活量や残気量などの関係を図解

スパイロメトリー

今回は臨床検査技師の実習で行うスパイロメトリーについて解説していきたいと思います。

以下のグラフがスパイロメトリーによって得られるスパイログラムです。

1回換気量

まず上図の最初の二つの山は普段通り吸って、はいたときの波でその量は1回換気量と呼ばれます。吸ったら上の方に向かって波ができ、はくと下の方に向かって波が進みます。一番波の高い位置が安静吸気位、低い位置が安静呼気位です。

最大呼気位

次に限界まではきます。すると、下に向かって波が進みこれ以上はけない限界まで来たところが最大呼気位です。このとき、これ以上はくことができない限界まで息をはくことが大切です。そうしないと正しい測定結果が得られません。、「はいて!はいて!はいて!はいて!はいて!」の掛け声によってしっかり限界まではいてもらえるようにする必要があります。

最大吸気位

そして、次は限界まで吸います。「吸って!、吸って!、吸って!、吸って!、吸って!、吸って!」の掛け声のもと限界まで吸ってもらいます。その時の頂点が最大吸気位です。

そして、最後はまた限界まではいてその後は普段通り吸ってはいてを繰り返します。

スパイログラムから読み取れること

先ほども書きましたが、普段通り吸ってはいたときの量を1回換気量と呼びます。そして、1回換気量以上に吸える量(安静吸気位から最大吸気位)を予備吸気量、1回換気量以上にはける量(安静呼気位から最大呼気位)を予備呼気量と言います。

最大吸気量=1回換気量+予備吸気量 になります。

また、人間には予備呼気量の分をはききっても肺の中の空気をすべてはききることはできません。その肺の中に残っている空気の量を残気量と呼んでいます。

この残気量はスパイロメトリーでは測定できないということは覚えておいてください。

そして、予備呼気量+残気量=機能的残気量 と呼ばれます。

では次に普段聞きなじみのある肺活量とは何をさしているのかですが、

肺活量=1回換気量+予備吸気量+予備呼気量 です。限界まではいて限界まですったときの空気量ですね。

そして最後に全肺気量=肺活量+残気量 になります。

ご覧いただきありがとうございました。呼吸機能検査からわかる換気障害分類については下記の記事で解説していますのでこちらもぜひご覧ください。

解剖生理学解説:%肺活量、一秒率、換気障害分類

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