アカデミア研究者のFP3級合格体験記ー受験のきっかけ、メリット、勉強時間と方法

アカデミアで研究者としての人生をスタートさせて早くも2年が経とうとしております。プライベートも紆余曲折ありながらも安定してきて、将来のライフプランについても考える機会が増えてきました。そんな中先日FP3級を受験し、無事に合格することができました。FP3級は日本FP協会で受験する方法と金融財政事業研究会で受験する方法がありますが、私は日本FP協会(https://www.jafp.or.jp/exam/)の方で受験しました。合格できたこと自体も嬉しいのですが、FP3級を勉強することで得た知識でライフプランについて考える幅が広がりました。なぜFP3級を受験しようと思ったのかアカデミア研究者の視点での勉強するメリットについて、また勉強方法や勉強時間について書いていきます。

なぜFP3級を受験しようと思ったのか

まず受験しようと思ったきっかけはアカデミア研究者として生きていく中で、住宅資金や結婚資金、結婚や子供の教育資金といった今後起こりうるイベントに対して自分でしっかり考えて準備しておく必要があると感じたからです。アカデミアで研究の仕事ができることにはやりがいを感じているところですが、やはり雇用は不安定な部分もあり、今後どういう場所でどういう雇用形態で研究を続けていくか未定という中でライフプランについて考えておきたいと思いました。

アカデミア研究者の視点での勉強するメリット

実際勉強してみて最初に感じた大きなメリットは普段お給料から天引きされている所得税や年金、保険などの仕組みについて理解が深まったことです。勉強する前は天引きされているお金の意味や、最近話題になっている103万円の壁、106万円の壁、130万円の壁について深く理解ができていませんでした。特に勉強して良かった部分は将来年金がどれくらいもらえるのかについてです。私もそうですが、アカデミアで研究をしている方の多くは大学4年+大学院に5年(修士+博士)以上通っており学生の期間が長いと思います。その間私はJST次世代に採択されたり(詳しくはJST次世代(次世代研究者挑戦的研究プログラム)採択から修了、留年に至った経験から思うこともご覧ください)、臨床検査技師としてアルバイトをしたり、収入が全くないわけではありませんでしたが、国民年金や厚生年金との違いなど理解したことによってどれくらい老後に向けて貯蓄をしていく必要があるのか考えるようになりました(年金制度が今後も続いていくのか自体には不安もありますが)。国民年金を20歳から60歳まで払い続けたとしたら65歳からもらえる老齢基礎年金は年816000円、つまり月68000円と知って驚きました。自分はあと何年大学で働いてその間に厚生年金を払って、と色々考えつつ、パートナーと一緒に今まで支払った年金額の確認なども行い、理解できたのは勉強して良かったと思いました。

2つ目のメリットとして感じたのはライフプランについてです。何歳の時点でいくらぐらいまとまったお金が必要になるか、保険にはどういう種類があるのかなどを考えるようになりました。住宅資金については大きいお金が必要になってきますし、ローンを組む必要も出てきます。一般的な制度についてやどれくらい借りることができるのかなど知ることができます。また、もし子供ができたとしたら学資保険についてや奨学金と教育ローンの違いなどについても知っておくべきことも多々ありました。こういう制度についてもう少し中学高校の社会科の授業で全員が学べたら良いのになと思ったくらいです。

そして最後メリットはパートナーとお金について正直に話し合うことができるようになったことです。FPの勉強と一見関係ないような気もしますが、今までお互いがお金について深く興味をもつことなく、また知らないことも多いのでなんとなく話し合うことを避けてきた部分がありました。将来を一緒に考えていくことは楽しく自分たちの生活を充実させるために必要なことだと日々感じています。

勉強方法や勉強時間

方法についてはまず過去問を一通り見ました。そうすることで何を知っていて、何を知らないのかをはっきりさせました。私の場合元々金融経済については興味があったこともあり、ほとんど勉強せずに済みました。今から勉強される方は先に過去問を見てまず現状の知識で解けるものと解けないものを分けてしまうのがオススメです。

また、FP3級については広く浅くという感じで、数回分の過去問を見るとおおよそ出題傾向は見えてくるので、問題を解きながら知らないことを調べて知識をつける形で勉強をしました。なかなか時間を取って勉強するというのも難しいので、仕事の行き帰りの電車の中でスマホで調べて勉強しました。ただ、調べていけばいくほどFP3級の出題レベル以上のことも気になって見てしまうので(それはそれでまあ良いのですが)、もしFP3級の合格に向けた内容だけを勉強するなら本を買ってどこまでの範囲が出るのかをきっちり押さえる方が良いかと思います。私はFP3級に合格したら2級も受験したいと思っていたこともあり、ついでにできるだけ知識を深めておきたいと思って調べていた部分もあるので、そういう場合には3級の勉強ついでに2級対策にもなるので効果的な勉強かもしれません。

また、なじみのある分野とそうでない分野があるので、自分の給料明細を見て支払っているものを見てそれぞれの意味や金額を計算したり、実際に住宅を購入することをイメージしたり、どれくらい年金がもらえるかなど将来を見据えてあれこれ考えると自然と覚えられたり楽しく勉強できると思います。

学科試験と実技試験があるので、両方の対策が必要なのかと最初は身構えていましたが、実際は学科試験の勉強をすれば実技試験はほとんど解けるようになりました。実技試験でよく出る問題も過去問を数回見ればはっきりするのでそれを試験前数日見ておけば大丈夫でした。

次に勉強時間についてですが、勉強を始めたのは受験日の1か月前くらいからです。時間は先に書いたように電車の行き帰りのみなので、1日1時間程度です。それを約1か月なので30時間程度です。元々の知識の量にもよりますし、なじみのある分野が多いかどうかにもよるとは思います。試験はCBT方式で、基本的にいつでも受験できるので合格できそうかなと思えた段階で申し込むのもありかと思いますが、申し込んでしまった方が絶対にその日までに仕上げるぞという気持ちになるのでオススメです。

以上私の合格体験記でした。

タイトルとURLをコピーしました